第5話:物件探しの旅〜空き家情報物件見学の巻(その2)
第5話:田舎暮らしへの準備!
仙北市空き家情報物件見学の巻(その2)
はたして田沢湖の近くに畑つきの家を見つけて、念願の田舎暮らしができるでしょうか。
次に案内して頂いた物件は、住宅地ではなく少し郊外に行った山林地帯の一軒家でした。
かろうじて舗装されている程度の細い道に入って少し進んだところにありました。
まさに田舎暮らしにピッタリのロケーションでした。
ここでも、現地に着くと所有者の方がカギを空けて、待っていてくれました。
『こんにちわ〜どうも』役所の担当者が挨拶しながら建物の方に近づいていきました。
『んっだ、んっだば、カギが・・・・』
長年農家で畑仕事をやってきたという感じのおばあさんが、何か話しながら出てきました。
実は私、この地方の地元の人が話す方言がほとんど聞き取れなくて、
この時も所有者のおばあさんがなんて言ったのかさっぱりわかりませんでした。
そうゆうわけで、以後、この物語での『』書きの話し文については、
聞き取れた内容を標準語に直して記載していますので、ご了承下さい。
『敷地はあの道の境界からこのラインまでで、3方向道に囲まれた土地です。』
っと、役所の人が説明してくれました。(ちなみに役所の人は、ほぼ標準語で話してくれるのでわかります。)
『わ〜、結構広いんですね〜。建物の建っていないこの辺りの土地は畑でもやっていたんですか?』
家庭菜園にしては広すぎるくらいの土地が空いていたので、聞いてみました。
『んっだ!以前は畑にしていて野菜とか作っていたんですよ。
今は草が繁ってしまってますが、畑をやるならすぐできますよ。』
『どんなものが作れるんですか?』
『そっだね、きゅうり・だいこん・トマト・豆・じゃがいも・・・・野菜だったらなんでもできますよ。』
『へー・・・。私たち畑は是非やってみたいんですよ。』
『他にも都会から移住してきた方で、畑をやっている人たちも多いですので、是非やってみて下さい。』
役所の人も目を輝かせて応援してくれました。
『それから実は・・・』役所の人がさらに説明を続けて、
『あそこの道の向こう側に杉の林があるのですが、それも一緒に売却を希望しているんですが・・・』
『えっえ〜、あの杉林が付いてくるんですか?』 『はい、そうなんです。』
道路の向こうの一区画に、この建物の土地より広そうな杉の林があって、それも込みでの売買とのことでした。
なんと都会では考えられないことですよね。
『では、建物の中を見せてもらっていいでしょうか?』
『はい、どうぞ。』
2階はなくて、平屋の建物でした。
農家の家という感じで、玄関は広めで、部屋はタタミの和室が4部屋と台所といった間取りで、
私たち夫婦二人で住むには、広さ的には充分でした。
『床がなんかギシギシしたり、沈んだりする所がありますね・・・タタミも凹んでる所があったり・・・』
『そうですね。もしかして床下が腐っている可能性がありますね。』
役所の人もうなずきながら、
『床下は改修工事が必要になるかもしれませんね。』
『ここは、トイレは汲み取りなんですか?』妻が一番気にしてるところを質問しました。
『そうなんです。汲み取りですね。将来的に水洗になるかもしれませんが、まだ不明です。』
『そうですか。汲み取りのままなんだ。』これにより妻の評価はかなり落ちてしまったかも・・・。
『トイレ・洗面・浴室とキッチンも含めて、水周りのほとんど改修が必要になるな〜。』
私の見解も、住むにはかなりの改修費用が必要になるのではないかと思いました。
それにしても、杉林が付いてくるというのは、ある意味魅力ですが、
杉林を持っていても、一体何に使うんだろうっていう疑問が・・・・
『今日はどうもありがとうございました。』所有者の方にお礼を言って、
車に乗って、その物件をあとにしました。
そして、役所に戻る車中での妻と私は感想を発表していました。・・・・
『今の物件は、建物の改修にかなり費用がかかりそうだね。土地が広いのは魅力だけど・・・』
『それに、汲み取りだしね〜』妻にはこれが決定的かも。
『今日見た2つの中では、最初の物件(第4話)が良かったと思うけどどうかな。』
『うん、そうだね。』
『じゃ〜、具体的に交渉するように話を進めてみるか?』
『いや、それは早すぎるんじゃないの。もっといろいろ物件見たいし。』
『そうか。じゃ〜今度他の物件も見てみてみようか。』
っということで、二人はいつもの楽観モードで、他にも物件を見てみることに決めました。
今日見た2つの物件の売買金額は、一応私たちの予算範囲内には入っているものでしたが、
予算を超えて手が出ない物件でも一度見てみたいという妻の希望もあって、
建物はまだ建築して年数があまり経っていない物件で、
売買金額が1000万を超える2つの物件を見学することにしました。
役所に着いてから担当の方に次の見学予定の物件についてお願いして、
日程は後日調整して連絡を頂くことにして、この日は帰りました。
・・・・・ 準備・物件探し編第6話へ続く・・・・・・ 物語連載へ
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